ハープ寺澤先生 インタビュー

梅田でレッスン稼働中の寺澤彩(てらさわ あや)先生のインタビューです。

憧れで終わらせるのはもったいない!ゴージャスな「ハープ」のやさしい魅力

寺澤先生インタビュー①

オーケストラでも、ステージ上でひときわ存在感を放つ「ハープ」。聴く人の気持ちを穏やかにさせるやさしい音色と、そのゴージャスな見た目に憧れを抱く人は少なくありません。

ただ、ピアノほど身近な楽器ではないため、習い始めることをためらってしまうこともあるでしょう。

そこで今回は、MIKIミュージックサロンでハープコースを担当する寺澤彩先生に、ハープの魅力について語っていただきました。きっとあなたもハープを弾いてみたくなることでしょう。

ハープの魅力は美しい音色。ソロでもアンサンブルでも楽しめる

寺澤先生インタビュー②

―― 本日はよろしくお願いいたします。まず、寺澤先生がハープを始めたきっかけを教えてください。

 私が育った福井県には国内唯一のハープ工場があり、そこで開催されている講習会のポスターを母が見たのがきっかけです。8歳のとき、母に連れられて行って初めてハープに触れましたが、弦を指ではじくだけで独特の美しい音色が鳴り、すぐに魅了されましたね。間近に見るハープの大きさにも惹かれました(笑)

―― 確かに、とても大きいですね。

グランドハープ(ペダルハープ)

このハープは、国内唯一のハープ工場で作られた「青山ハープ」です。ハープの値段はさまざまですが、ここMIKIミュージックサロンでは、ハイグレードのグランドハープで演奏いただくことができますよ。

 

―― 寺澤先生が感じる、ハープの一番の魅力は何でしょうか?

 やっぱり音色ですよね。伴奏では楽曲に寄り添うように奏でることができ、ピアノなどとは違った味わいが出ます。でも、ソロで演奏するときには、しっかりと主張できる。ソロでもアンサンブルでも楽しめる楽器です。

「大人の趣味」として。ハープ未経験者も1年ほどで演奏できるように

寺澤先生インタビュー④

―― どんな生徒さんがハープコースに通われているのでしょうか?

 幅広い年齢の生徒さんにお越しいただいていますが、女性のハープ未経験者が多いですよ。「いつかハープを弾いてみたい」という憧れを持っていた方々が「大人の趣味」として始められています。

 

―― ハープ未経験者がぶつかる最初の壁はどういったことですか?

 まず、ペダリングの難しさが挙げられますね。ハープ下部にあるペダルで半音を上げたり下げたり操作するのですが、これがなかなか難しいんです。

グランドハープペダル

はじく弦が合っていてもペダルを踏み間違えると音が変わるため、慣れるまで時間がかかることもあります。

―― 2回りほど小さなサイズのハープもありますが、こちらにはペダルが付いていませんね。

harp_006

こちらは「アイリッシュハープ」と言います。グランドハープに比べて音色が軽やかなのが特徴です。よくライブハウスやアイリッシュパブなどで見かけるかと思います。このアイリッシュハープには、グランドハープにあるペダルが無い代わりに、上部にあるレバーで半音を操作します。

アイリッシュハープレバー

このレバー操作も簡単ではありませんので、いずれにせよ練習は必要です。

―― どれくらいの期間で演奏できるようになるのでしょう?

 個人差はありますが、1年ほどあれば演奏できるようになりますよ。指の使い方を覚えていき、連続した音を弾けるようになったら、和音を交えていき、その後より複雑なペダルやレバーを覚えていきます。特に最初の練習は地味に思われるかもしれませんが、徐々に楽しくなってきますので、それまでは辛抱です(笑)

 

ハープは特別な楽器ではない。弦をはじけば響くやさしい音色に癒やされて

寺澤先生インタビュー⑧

―― ハープ未経験の生徒さんが多いとのことですが、指導の際に心がけていることはありますか?

 いかに“納得”していただけるかですね。例えば、ハープの演奏ではフォームが重要ですが、どうすれば身体に負担をかけずに楽な姿勢で弾くことができるか、生徒さんと一緒に考えていくようにしています。手首や指のやわらかさ、体格は人によって異なりますから。

 また、生徒さんが壁にぶつかったときには、どうすれば乗り越えられるか、解決策をいろいろと提示できるように努めています。好奇心が旺盛な人ほど早く上達していきますので、こちらの考えを一方的に押し付けるのではなく、そんな生徒さんたちが抱える疑問にできるだけ丁寧に応えていきたいですね。納得感がないと先には進めないと思いますので。

 

―― 納得感があるから、練習にも前向きに取り組めるのですね。

 ハープのみならず、楽器の上達に壁はつきものですが、あまり深く考え込まずにポジティブに捉えられる人も上達しやすいように感じます。私も生徒さんには「気楽にいきましょう」と、よくお声がけしていますよ。

 

―― そうして上達していった生徒さんたちは、今どのようにハープを楽しんでおられるのですか?

 ハープ友だちとアンサンブルを演奏したり、娘さんの結婚式で記念演奏をされたり、そういったことをお聞きする機会が増えてきています。MIKIミュージックサロンでも、ハープコースのクラス会(毎年5月)や、コースの垣根を越えた合同発表会が開催されていますので、人前で演奏を披露するのは練習へのモチベーションにもつながると思いますよ。

 

―― では最後に、ハープを始めようかと検討されている方々へメッセージをお願いいたします。

 ハープは、何も特別な楽器ではありません。誰もがチャレンジできる楽器ですので、まずは気軽にさわりに来ていただきたいですね。弦をはじけば響くやさしい音色に、ぜひ癒やされてください。

 

―― 重厚感のあるゴージャスな見た目に圧倒されがちですが、「ハープは特別な楽器ではない」という寺澤先生の言葉が印象的でした。寺澤先生、ありがとうございました。

 

【profile】

寺澤彩先生

7歳よりハープを始める。神戸女学院大学音楽学部ハープ専攻を経て、同大学大学院音楽研究科修了。同大学新人演奏会、西宮市大学新卒推薦音楽会、神戸女学院大学大学院音楽研究科第4回修士課程修了披露演奏会、第20回国民文化祭・ふくい閉会式演奏、大阪クラシック2014、マグノリア・サロンコンサート等、様々な演奏会に出演。2012年に兵庫県立芸術文化センター神戸女学院小ホールにてフルートとのデュオ・リサイタルを開催。雨田光示、摩寿意英子の各氏に師事。現在、オーケストラ、ウィンド・オーケストラ、室内楽等で活動している。神戸女学院大学音楽学部非常勤講師、MIKIミュージックサロン梅田ハープ科講師。

 

Interviewer&Writer:権藤将輝

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