ジャズサックス講師 栗田先生インタビュー

西梅田、三宮にてレッスン稼働中の栗田洋輔(くりたようすけ)先生のインタビューです。

心に光が差す!楽器未経験でも始められるジャズサックスの豊かさ

栗田洋輔先生インタビュー1

サックスでジャズを奏でる。

 それはとても難しく思えるため、挑戦することなく憧れのまま終わらせてしまう人が少なくありません。しかし、MIKIミュージックサロンでジャズサックスコースを担当する栗田洋輔(くりたようすけ)先生は「サックス未経験の人こそ、レッスンを受けに来てほしい」と力を込めます。

 実際、ジャズサックスコースに入会されている方の3人に1人が、ほぼ未経験の状態からスタートされているそうです。

 演奏すれば心に光が差す、ジャズサックスの豊かさについて栗田先生にお聞きしました。

自分自身の感性を自由に表現できる音楽

栗田洋輔先生インタビュー2

―― 本日はよろしくお願いいたします。まず、栗田先生がサックスを始めたきっかけを教えてください。

 小学生の頃、伯父が経営するエレクトーン教室に通っていて、そこで見せてもらったレーザーディスクに映るジャズサックスの演奏を観たことがきっかけです。その頃からサックスに対して憧れを抱いていたのですが、サックスを実際に始めたのは中学校に入学し吹奏楽部に入部してから。両親に頼み込んでサックスを買ってもらいました。

 

―― その頃からジャズを演奏されていたのですか?

 いえ、吹奏楽部ではクラシックを演奏していました。ジャズを演奏するようになったのは大学生になってからです。

 

―― どのようなところにジャズの魅力を感じましたか?

 やはり「自由さ」ですね。ジャズは、自分自身の感性を自由に表現して良い音楽です自分がカッコいいと思える音色やスタイルを追求できることが大きな魅力です。

クセが付く前のジャズサックス未経験者は上達しやすい!?

栗田洋輔先生インタビュー3

―― 自由度が高い分、難しいイメージがありますが、生徒さんはサックス経験者が多いのでしょうか?

 そんなことはないですよ。「学生時代に吹奏楽に入って演奏していたけど、ブランクがある」「独学で始めたけど、限界を感じている」とサックスを少しかじったことのある方もいらっしゃいますが、僕の体感で3人に1人の生徒さんがほぼ未経験の状態から始められています。ただ、「ジャズが好き」「サックスを演奏してみたい」という思いは共通しています。

 

―― レッスンはどのような流れで進んでいくのでしょうか?

 先生によって多少の違いはありますが、僕は最初にどんな曲を演奏したいのか、生徒さんの好みをお尋ねするようにしています。というのも、ジャズと一言に言っても幅広く、例えば古典的なジャズや最近流行りのクラブジャズでは教え方が微妙に異なるからです。レッスンでは、半分の時間を生徒さんが演奏したい曲や僕のおすすめ曲の練習に充てるようにしています。ちなみに、残りの半分の時間で基礎練習を行います。楽器の習得においても基本は大事ですから。

 

―― サックス未経験者がぶつかる最初の壁はどういったことですか?

良い音を安定して出せるようになるには一定の時間がかかります。でも、音量や音程がブレてしまうのには必ず原因があるものです。それらを改善していけば綺麗な音を奏でられるようになりますよ。なお、だからこそ、未経験の人ほど習いに来てほしいとの思いにもつながっています。サックス未経験であればまだクセが付いていないため、むしろスムーズに上達していくケースも見られます。

 

―― 上達が早い人の傾向があれば教えてください。

 コツコツと練習を重ねる人が上達しやすいのは言うまでもありませんが、自分なりに工夫しながらチャレンジングに冒険する人の成長速度も速いですね。そのあたりの自由さもジャズの魅力のひとつです。楽しんで練習することに勝るものはありません。

 

―― ジャズならではのアドリブはどのようにして習得していくのでしょう?

 アドリブを演奏するには音楽の仕組みを理解する必要がありますが、アドリブ練習用の譜面などを使い、およそのニュアンスをつかんでもらうことから始めます。そのうえで、必要な知識をかみくだいてお伝えしていきます。サックス未経験者でも、シンプルな曲なら平均1年半ほどの練習でアドリブができるようになりますよ。

ジャズは豊かな音楽。ジャズサックスを通して心が潤う

栗田洋輔先生インタビュー4

―― ジャズといえばジャムセッションが醍醐味ですが、どのように練習していくのでしょうか?

 レッスンでも「ジャムセッションができるようになること」をゴールのひとつに定めています。曲の練習は「マイナスワン」と呼ばれる伴奏CDや僕のピアノ伴奏で実施します。マイナスワンとは、例えばサックスの部分だけが録音されていない音源のこと。曲さえ知っていれば誰とでもセッションできるのがジャズの良いところです。行動範囲や交友関係が飛躍的に広がりますよ。MIKIミュージックサロンでも発表会が多数開催されていますが、積極的に参加してジャムセッションの楽しさを体感してほしいですね。他、ジャムセッションに関する情報があれば、生徒さんに提供するようにもしています。

 

―― では最後に、ジャズサックスを始めようかと検討されている方々へメッセージをお願いいたします。

 ジャズは豊かな音楽で、演奏すればするほど心を潤してくれます。知れば知るほど、好きになれるはず。ジャズの懐の深さを信じて、ぜひ始めてみてください。体験レッスンに来ていただければ、ジャズサックスを通して幸せな気分になれることを感じてもらえると思います。

 

―― 「生徒さんの好きな音楽を一緒に好きになる」。指導の際、そう心がけていると話す栗田先生。「生徒さんから教えられることも多い」と、今なお強い好奇心と向上心がジャズサックに向けられています。高い熱量でリードしてくれる先生となら、初めてのジャズサックスにも安心して挑戦できるのはないでしょうか。栗田先生、ありがとうございました。

【profile】

栗田洋輔(くりたようすけ)

バークリー音楽大学Professional Music科卒。音楽家系に育ち4歳でエレクトーン、12歳でサックスを始める。音楽理論・演奏基礎を習得し全国コンテスト等で演奏や作・編曲で数々の賞を受賞。その後バークリー音大より奨学金を獲得し渡米、Gearge Gazone, Walter Beasley氏らにサックスを、Ted Peace, Steve Rochinski氏らに作・編曲や音楽理論を、また小曽根真氏よりジャズスピリットを学び、在学中よりボストン・ニューヨークでライブ・レコーディング 活動を行う。同音大を首席で卒業後、翌年には自身名義のアルバム “Sleepin’ Sheep”を、自身が結成のバンドVermilion Field名義で4枚のアルバムをリリース(“Feira”・2015年、ビクター・エンターテイメント、等)。

【主な共演者】

上原 ひろみ、東原 力哉、清水 興、村上ポンタ秀一、佐山 雅弘、岡本 博文、
Jim Snidero、Esperanza Spalding、Brian Baker、Marty Bracey、古谷 充

 

Interviewer&Writer:権藤将輝

 

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